国内移動体通信の3大キャリア、NTTドコモ・au(KDDI)・ソフトバンクは障がいや特定の疾患(病気)をお持ちの方にスマートフォンや携帯電話の基本料などを割引くサービスを提供しています。
2019年6月からドコモが音声とデータ通信を一体化、au、ソフトバンクも新プランを投入。
同年10月1日、さらに電気通信事業者法の改正で2年間の「定期契約解約料を上限1,000円」「定期契約あり・なし」の差額を170円以内とした新プランに再び刷新しました。
こちらでは障がい者、特定疾患(指定難病)の方を対象にしたNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク(Softbank)の障害者割引について「適用条件(対象者識別)の比較」「割引後料金の比較」「障害者割引ページの分かりやすさ比較」「申込方法の比較」「コールセンターの対応比較」の5つを中心にご案内していきます。
では、適用条件を比較していきます。
スマホ・携帯電話の障害者割引比較
適用条件の比較
- 身体障がい者手帳(青の手帳、緑の手帳)
- 精神障がい者保健福祉手帳
- 療育手帳(愛の手帳)
- 特定疾患医療受給者証
- 特定疾患登録者証
- 特定医療費(指定難病)受給者証
3社共通の適用条件として「身体・精神・療育」の手帳と「指定難病の受給者証」を交付されている方に適用しています。
手帳の等級などは関係ありません。
障がい者手帳、指定難病の受給者証は各都道府県、中核市単位で交付するため統一した名称(呼び方)ではないケースがあります。
東京都などでは療育手帳を「愛の手帳」埼玉県では「青の手帳」と「みどりの手帳」などの別称が存在します。
ソフトバンクでは上記に加えて
- 特定疾患医療券
- 自立支援医療受給者証(精神通院医療)
- 小児慢性特定疾病医療受給者証
- マル都医療券
- 奈良県特定疾患医療費助成事業承認書
以上5つの疾患証明に対して障害者割引を適用しています。
では、NTTドコモ・ソフトバンク・au(KDDI)の割引後の料金を比較します。
割引後の料金比較
結論でいえば、ドコモ、au、ソフトバンク共通してほとんどのプランが2年契約ありの料金より、200円安くなっています。
ドコモ ハーティ割引
料金プラン | 基本使用料 定期契約なし | 基本使用料 定期契約あり | ハーティ割引適用後 基本使用料 | |
---|---|---|---|---|
ギガホ | 30GB | 7,150円 | 6,980円 | 6,780円 |
ギガライト | 7GB | 6,150円 | 5,980円 | 5,780円 |
5GB | 5,150円 | 4,980円 | 4,780円 | |
3GB | 4,150円 | 3,980円 | 3,780円 | |
1GB | 3,150円 | 2,980円 | 2,780円 | |
データプラス | – | 1000円 | 800円 | |
ケータイプラン | 1,370円 | 1,200円 | 1,000円 |
5Gプランの場合
料金プラン | 基本使用料 定期契約なし | ハーティ割引適用後 基本使用料 | |
---|---|---|---|
ギガホ | 100GB | 7,650円 | 7,280円 |
ギガライト | 7GB | 6,150円 | 5,780円 |
5GB | 5,150円 | 4,780円 | |
3GB | 4,150円 | 3,780円 | |
1GB | 3,150円 | 2,780円 |
通話料
20円/30秒(40円/1分)
SMS送信料
国内 3円/回~、受信 無料
海外 50円/回~、受信 無料
新プランの場合
「音声とデータ通信が一体化」となったため、単純明快に「ギガホ」「ギガライト」「ケータイプラン」「データプラス」基本料金(2年間の定期契約なし)から9月30日までにハーティ割引を適用されていれば1,700円割引、10月1日以降では370円割引になりました。
※キッズケータイは500円。
9月30日以前、10月1日以降では新プランになって障害者割引額が大きく減ったように思いますが、定期契約なしの月額を値下げしたため、ハーティ割引適用時の月額基本料は変わりません。
旧プランの場合
カケホーダイ・カケホーダイライト・シンプルなど「通話プラン」から1,700円を値引き。
「パケットパック」「シェアパック」などのデータ通信の基本料金は対象外。
オプションサービス
60%割引ですが、音声通話オプション(「かけ放題オプション」「5分通話無料オプション」)は対象外です。
ハーティ割引とファミリー割引、みんなドコモ割、ドコモ光セット割引やギガホ割を併用することでさらにお得になります。
解約金の免除・事務手数料の一部無料
2年定期契約などの解約金が免除となり、ハーティ割引と同時申し込みであれば新規契約、プラン変更などの事務手数料が無料となります。
au スマイルハート割引
ピタットプラン 4G/5G
データ量 | 割引き前 | スマイルハート 割引後 |
---|---|---|
~1GB | 3,150円 4,150円(5Gスマホ) | 2,780円 3,780円(5Gスマホ) |
~4GB | 4,650円 5,650円(5Gスマホ) | 4,280円 5,280円(5Gスマホ) |
~7GB | 6,150円 7,150円(5Gスマホ) | 5,780円 6,780円(5Gスマホ) |
※スマイルハート割引のみ適用、ほか割引併用前 |
auデータMAX 4G/5G
データ量 | 割引き前 | スマイルハート 割引後 |
---|---|---|
無制限 | 7,650円 8,650円(5Gスマホ) | 7,280円 8,280円(5Gスマホ) | ※スマイルハート割引のみ適用、ほか割引併用前 |
auデータMAX 4G/5G Netflixパック
データ量 | 割引き前 | スマイルハート 割引後 |
---|---|---|
無制限 | 8,650円 9,650円(5Gスマホ) | 8,280円 9,280円(5Gスマホ) | ※スマイルハート割引のみ適用、ほか割引併用前 |
データMAX 5G ALL STARパック
データ量 | 割引き前 | スマイルハート 割引後 |
---|---|---|
無制限 | 11,150円 | 10,780円 | ※スマイルハート割引のみ適用、ほか割引併用前 |
通話料
20円/30秒(40円/1分)
SMS送信料
国内 3円/回~、受信 無料
海外 50円/回~、受信 無料
新プランの場合
「ピタットプラン」「データMAX」「auデータMAX Netflixパックや5G ALL STARパック」もドコモと同じく「音声とデータ通信が一体化」のため、単純に基本料金から370円割引になりました。
オプションサービス
60%割引ですが、音声通話オプション(「通話定額」「通話定額ライト」)は対象外です。
スマイルハート割引と家族割、家族割プラス、スマートバリュー割引などを併用することでさらにお得になります。
解約金の免除・事務手数料の一部無料
2年定期契約などの解約金が免除となり、スマイルハート割引と同時申し込みであれば新規契約、プラン変更などの事務手数料が無料となります。
Softbank(ソフトバンク)ハートフレンド割引
基本プラン(音声):980円
ハートフレンド割引:-200円
——–
実質:780円
2019年10月からの改正電気通信事業者法に先立って、9月13日の契約分から2年縛りを廃止しました。
それ以前から適用中の方は、通話基本プラン:3900円からハートフレンド割引(-2900円)で実質:1000円となっています。
通話料
20円/30秒(40円/1分)
SMS送信料
国内 3円/回~、受信 無料
海外 50円/回~、受信 無料
ソフトバンク(Softbank)は「ウルトラギガモンスター+(プラス)」「ミニモンスター」「スマホデビュープラン」を主力プランとして展開していましたが、2020年3月12日から「メリハリ」「ミニフィット」に名称を変え、サービス内容も若干見直されました。
いずれのプランも「音声とデータ通信」は一体ではなく、「音声」と「データ」の組み合わせという考えのもと「音声プラン」の基本プラン(音声)に対して割引きます。
オプションサービス
留守番電話などのオプションも60%割引の対象ですが「定額オプション・準定額オプション」は対象外です。
ハートフレンド割引と家族割、みんな家族割プラス、おうち割などを併用することでさらにお得になります。
解約金の免除・事務手数料の一部無料
2年定期契約などの解約金が免除となり、ハートフレンド割引と同時申し込みであれば新規契約、プラン変更などの事務手数料が無料となります。
2年契約の解約金免除は、それ以前から契約している方が対象となります。
障害者割引ページの分かりやすさ比較
公式サイトを調べていくと障害者割引額の表示パターンが複数あって混乱します。
もしかしたら案内しているページに行きつくまでに迷った人もいるかも知れません。
障害者割引ページの分かりやすさ比較
公式サイトを調べていくと障害者割引額の表示パターンが複数あって混乱します。
もしかしたら案内しているページに行きつくまでに迷った人もいるかも知れません。
割引額の表示
2020年10月以前、ドコモとauは一律1700円。
ソフトバンクは、これまで2900円としていました。
とても魅力的な割引額ですね。
既存ユーザーさんの場合は現在契約しているプランの料金よりも割引額の方が大きく戸惑った方もいたと思います。
現在、新料金プラン後はドコモ・auは定期契約なしの料金から370円、定期契約ありよりも200円安く利用できるようになっています。
ソフトバンクは基本プラン(音声)から200円が割引かれます。
直接電話して理解した割引の仕組
「音声・データ通信の一体プラン」以外は、通話プランとオプションの基本料金が対象。※パケットパック(データ定額)の基本料金は対象外。
ポイントは2年しばりからの解放
これまでスマホや携帯電話を契約するとき、月々の支払いを安くするために2年間の定期契約(しばり)を選んできました。
現在では2年間の「定期契約あり・なし」を選択できるようになっています。
スマホ・携帯電話の障害者割引は2年契約なしが条件!
障害者割引を適用するためにはドコモ・ソフトバンク・au 共通して、契約を希望するプランの定期契約なしを選ぶ必要があります。
具体的には
ドコモなら
「ギガホ」「ギガライト」「ケータイプラン」など。
auなら
「ピタットプラン」「データMAX」など。
ソフトバンクに関しては現在「基本プラン(音声)」、以前は「通話基本プラン」
それぞれ定期契約なしを選択、すでに定期契約している場合は「契約変更」する必要があります。
その際の解約金は免除されます。
申込方法の比較
ドコモの場合
- ドコモショップ
- パソコン
- スマホ、携帯電話
- 電話、郵送
パソコンやスマホからはオンライン手続きも可能です。
ドコモユーザーなら4桁の暗証番号、新規でドコモと契約する方は「dアカウント」が必要です。
証明書類はカメラ撮影して登録時にアップロードします。
ドコモショップで対応は委任状と障がい者手帳、難病を証明する書類を持参すれば、代理人申請も可能です。
au・ソフトバンクの場合
au と ソフトバンクに関しては「auショップ」「ソフトバンクショップ」での対応となります。
共通して障害者割引の契約に必要なもの
本人確認書類 1点でよいもの | 本人確認書類 補助書類が必要なもの | 支払いに必要なもの |
---|---|---|
運転免許証 マイナンバーカード | 健康保険証 顔写真付き住民基本台帳カード 在留カード・外国人登録証明書 | 通帳 キャッシュカード クレジットカード |
補助書類は「公共料金領収証やマイナンバーの印字がない住民票」など。 |
そのほか、障がい者手帳、難病を証明する書類、印鑑、代理人申請の場合は委任状とその代理人の身分証明。
コールセンターの対応比較
つながるまでの待ち時間が長いのは各社そう変わりはないですね。
オペレーターのスキル、知識力で変わるという面も同様です。
ドコモ
2019年6月の新プラン投入期にはドコモが一番ストレスなくオペレータにつながりましたが、10月のプラン刷新では3キャリアの中でもっともつながらない。
既存ユーザーに限っては問い合わせ日時を事前に予約することで予約時間、予約時に発信したスマホ・携帯電話からかけることで優先的にオペレーターにつながるサービスが利用できます。
au(KDDI)
10分以上しても接続されず、待ちきれなくて途中で切断しました。
ソフトバンク
比較的につながりやすく、5分程度でした。ほかの2社に比べて、今回の刷新で2年契約を廃止するなど予想される反響が大きいことを想定して、人員を増やして対応しているようですね。
また、近年ではチャットで質問に答えてくれるサービスも提供されています。
チャットサービスの仕様
各社とも最初はAI対応で、複雑な質問はチャットオペレーターが対応します。
個人的な感想ですが、AI対応からチャットオペレーターにつながるまでのステップは少しウザい感があります。
ソフトバンクは冒頭に「ペッパー君」が対応するのですが、複雑な質問になると「簡単な質問なら答えられるよ」的なコメントのままで、向こうからオペレーター対応への変更提案されず「オペレーターさんから的確に答えてもらえませんか!!」と送って初めて交代の選択肢が出てきました。
整理とまとめ
- スマホ・携帯電話の障害者割引はドコモ、au、ソフトバンクともに月々の基本料金から割引く。
- 2年間の定期契約による割引は受けられないが障害者割引を受けた方が200円安い。
- 家族割引など併用することで障害者割引単独よりもお得に利用できる。
- 申込方法ではドコモ以外、ショップのみの対応。
3社のうち障害者割引について比較的に公式サイトの説明が分かりやすいのは「NTTドコモ」だと思います。
auとソフトバンクは現在受付けているプランと、いまは受付けていないプランが説明の中に混在しているため分かりにくい印象です。
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