障害者手帳の等級判定と福祉サービス利用時の障害支援区分

障害者手帳の等級障がい者手帳
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障がい者向けの福祉サービスや助成制度を活用するために必要な障害者手帳。

障害の種類にあわせて「身体障がい者手帳」「精神障がい者手帳」「療育手帳(愛の手帳)」の3種類から該当するものが交付されます。

それぞれの手帳には障害の程度をふまえて等級が設定されています。

特に身体障がい者手帳は視力、聴力、上肢、下肢、体幹、内臓など細分化されています。

ここからは障害者手帳の等級(程度)の判定基準にふれながら等級の変更・障害の重複、等級と支援区分について確認していきます。

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障害者手帳の等級(障害の程度)

障がい者それぞれに交付される手帳の等級(程度)は、医師が作成した診断書・意見書(決められた様式)を基に自治体が最終判定し、決定します。

身体障害者手帳

身体障害者手帳は重度側から1~6級までの等級があります。
※障害年金、労災の等級ではありません。
身体障害等級表
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000172197.pdf)

等級については身体障害者福祉法の施行規則・別表第5号「身体障害者障害程度等級表」に定められています。

掲載した等級表を参照すると大きく5つに分類され、さら15種に区分そのうち部位でみると16に細分化されています。

視 覚聴 覚平 衡音声、言語またはそしゃく
上 肢下 肢体 幹運動機能、上肢運動機能、移動
心 臓じん臓呼吸器ぼうこう、直腸小 腸
免 疫肝 臓

さらに等級表を拡大して確認すると1つの等級に対して基準となる条件は1つだけではないことが分かります。

肢体不自由(したいふじゆう)障害に分類されている首から下の上半身「上肢(じょうし)」と下半身「下肢(かし)」は1級に相当する基準の条件分岐が2つあります。

視覚障害の2級は4つ、掲載している画像では確認できませんけど上肢4級は8つに分岐しています。

1級~7級まで確認した結果
身体障害の等級判定の基準は、120項目ありました。
※手帳の交付は6級まで。

障害認定の際、医師はさらに具体的な「身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)」を参照し記載の数値や身体能力の注釈に基づいて個々の状態を考慮し判断しています。

もしも、自分や家族が何級ぐらいに相当するのか?

知りたい方は障害認定の知識を持った医師に参考意見をもらう方が確実そうです。

判定は指定医の診断書・意見書を参考
医師なら誰でも障害の等級判定ができるわけではありません。

身体障害者福祉法に定められた認定に必要な視力や聴力の検査、関節可動域(ROM)、筋力テスト(MMT)などの測定ができる指定医が実施します。

等級表と解説については厚生労働省で公表されています。

厚生労働省ホームページ
等級表PDF  等級表の解説
スマートフォンから閲覧できない場合
「GooglePlayストア」または「AppStore」からアプリ「AdobeAcrobatReader」をインストールしてご覧ください。

またはパソコンからご覧ください。

障害の重複(身体)

厚生労働省の等級表では、7級まで設定しています。

しかし、単独の障害では指数を満たさず、7級相当の障害が2つ以上重複することで交付されます。

肢体不自由では下肢と体幹の障害が重なる場合、どちらか等級の高い側を選択する。

この重複の考え方は7級のそれ以外にも適用されるが、精神、知的の障害との重複は考慮しない。

等級変更(認定後の変更)

障がい者手帳を取得した後に状態が悪化することもあります。

医師に相談して現在よりも上位の等級基準を満たしているのなら等級変更することもできます。

その際は改めて指定医による診査を受け自治体に診断書・意見書など必要なものを提出します。

有効期限・再認定について

身体障がい者手帳は定期更新、有効期限が決まっていません。

将来的に軽度化する可能性があると指定医が判断した場合、1~5年以内で再認定日を自治体が設定します。

精神障害者手帳

精神障害者手帳は重度側から1~3級まであります。
正式名は「精神障害者保健福祉手帳」です。

1級日常生活に必要な会話が困難
2級日常生活が著しい制限を受けるか
著しい制限を必要とする程度
3級日常生活、社会生活が制限を受ける
または制限を必要とする程度

精神障害者保健福祉手帳の等級基準
厚生省保健医療局長通知 平成7年9月12日
健医発第1133号通達に基づき「精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準」で等級を判定しています。

お近くのメンタルクリニックや病院に通院中で精神保健福祉法に定めた指定医がいればそちらで等級認定に必要な「診断書・意見書」を記載してもらいましょう。

指定医
精神障害は精神保健福祉法に定めた指定医の認定。

等級変更
新たな精神疾患を発症し状態が悪化した際は変更も可能。

有効期限
2年ごとの更新。

厚生省保健医療局長通知は厚生労働省ホームページからご覧いただけます。

厚生労働省ホームページ
精神障がい等級判定基準

療育手帳(愛の手帳)

知的障害の等級は統一されていません。

各都道府県、政令指定都市は地域レベルで独自の指標に基づき運用しています。

参考に5つの自治体の例をあげてみます。

  • 東京都: 1~4度
  • 大阪府: A・B1・B2
  • 千葉県:〇A・Aの1・2 Bの1・2
  • 埼玉県さいたま市:マルA・A・B1・B2
  • 宮城県仙台市:A・B

以上のように障害の程度、その段階の数、表記方法も自治体で大きく違います。

なかでも手帳の交付数が全国1位の東京は「愛の手帳」として運用。
ちなみに2位/大阪府、3位/北海道、4位/埼玉県、5位/愛知県。

本題に戻り、目安として東京都のケースを紹介します。

東京都「愛の手帳」の場合

1度知能指数(IQ)がおおむね19以下で
生活全般にわたり常時個別的な援助が必要
2度知能指数(IQ)がおおむね20から34で
社会生活をするには、個別的な援助が必要
3度知能指数(IQ)がおおむね35から49で
何らかの援助のもとに社会生活が可能
4度知能指数(IQ)がおおむね50から75で
簡単な社会生活の決まりに従って行動することが可能

年齢区分

  • 0歳から6歳まで
  • 6歳から17歳まで
  • 18歳以上

再判定
3歳、6歳、12歳、18歳の時に再判定を受けます。

療育手帳(愛の手帳)は18歳未満なら児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所で心理判定員や小児科医などが障害の有無や程度を判定します

障害年金の等級との差異

障害年金は、障害認定の基本となる18障害に対して国民年金1~2級・厚生年金1~3級まであります。

「国民年金」「厚生年金」に付随する制度の1つで日本年金機構が承認し支給していますが、障がい者手帳は地方自治体が承認し交付しています。

つまり、障がい者手帳と障害年金の等級に差異が生じる理由は根拠とする法律、制度そのものが同じではありません。

そのため、障害の程度に応じて等級を判定する基準も違います。

障害年金の等級を判断する基準は「国民年金法施行令別表」「厚生年金保険法施行令別表」に定められています。

ちなみに労災時の等級も別途設けられています。

では、障害の等級と関係性の高い福祉サービスや支援についてご案内します。

一般に障害者手帳はその等級に応じた行政の福祉サービスや支援、障害者割引などの利用できると知られています。

しかし、実際には必ずしも等級で決まる訳ではありません。

等級とサービス・支援の関係性

障害者手帳の等級や障害の種類に関係なくタクシー料金は提示を条件に割引。

税金なども世帯収入に応じて控除率は違いますが、同様に障害者手帳を交付されていれば対象となります。

しかし、行政の障害者支援サービスは必ずしも障害者手帳の等級が重度な人ほどMAXフル活用できるとは限らないという落とし穴があります。

訪問入浴や出張理容(理髪)サービス
身体障がい者で肢体不自由障害1・2級の場合に利用回数の制限は設けていますが、利用可能できます。

しかし、聴力は免疫の障害は対象にはなりません。

同じ身体障害でも聴力や免疫の障害なら通常入浴に支障はありませんから障害の種類で制限されるのは当たり前です。

障害の種類や等級だけで判断しないもの
例えば、ホームヘルパーなどの人的支援に関する福祉サービスは「障害支援区分」で要支援度が高いほど月に利用できる時間が長くなります。

自治体によって提供している福祉サービスや支援の内容、適用条件は異なります。
介護保険が適用される方は介護保険優先。

障害支援区分と障害等級の違い

支援の必要性を判断するのは手帳の等級ではなく障害支援区分という別の基準になります。

こちらは加点方式で重度ほど数字が大きくなります。

身体2級と3級なら
一般的に等級の高い2級の方が日常生活が不便に感じます。

しかし、仮に足や手を欠損していても義手や義足を活用することで支障がない人もいます。

3級でも体幹障害は
体を支えることが出来ず室内でも這って移動する状態なら障害支援区分の要支援点数が加点されます。

すると適用される支援・サービスやその利用時間などが2級の障がい者より増えたりします。

この支援区分は内部疾患や視覚、聴覚、精神障がい者の人も同じです。

障害支援区分の判定と認定

障害支援区分の判定のため自治体職員が訪問して「概況調査票」「認定調査票」を作成。

同時に行政から主治医へ「医師意見書」が送られ、その回答を待って1次判定。

1次判定
基本項目をコンピューター判定。

2次判定
認定調査票の特記事項、主治医の意見書を基に自治体の定例審議会で支援の要否、範囲が決まります。

前項「障害支援区分と障害等級の違い」で示したように個々の生活上の不便さや単身、家族と同居などサポート体制も考慮されます。

この判定の基準は平成26年厚生労働省令第5号「障害程度区分に係る市町村審査会による審査及び判定の基準等に関す
る省令の全部を改正する省令」に基づきます。

サービスが受けられるまで2~3ケ月要することもあります。
介護保険が適用される方は介護保険を利用します。

等級については以上ですが、関連して身体障害者手帳の「1種」「2種」の区分についても書いておきます。

身体障害者手帳の1種・2種とは

旧国鉄、現在のJR東日本、西日本ほか各社が旅客運賃の割引を実施するために1952年(昭和27年)に等級を基準に1種・2種の区別がはじまりました。

現在では、その他の鉄道会社、JALやANAなどの航空会社、船舶会社でもこれに準じて割引することが増えています。

民間の障害者割引は、支援区分に関係なく手帳の提示または等級に応じて割引やサービスを提供していただいています。

タクシー料金は事業者負担ではなく、ドライバーさんが本来の売上げ額から1割引きした金額を報告する仕組みのため、実質はドライバーさんが負担してくれています。

まとめ・整理

  • 身体障がい者手帳は障害の種類ごとに1~6級まで。
    判定の基準は「身体障害者障害程度等級表」全体で16の障害に対して120項目以上。
  • 精神障がい者手帳は1~3級まで。
    判定の基準は「精神障害者保健福祉手帳障害等級判定基準」で1等級あたり、18項目。
  • 療育手帳は自治体独自の等級分けの指標があり、名称も愛の手帳、みどりの手帳などが統一されていない。
  • 指定医の意見を基に自治体が等級決定、悪化したときは等級変更をすることもできる。
  • 障害の重複時は等級が繰り上がる。
  • 福祉サービスは手帳の等級よりも支援区分で可否が決まる。

支援・サービスは必ずしも等級で決まる訳ではなく、ホームヘルパー派遣サービスなどは支援区分の点数によって決まります。

また、福祉サービスや支援は介護保険適用者の場合には介護保険が優先されます。

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