障害者手帳のメリット知っておくと役立つ8つのこと。

障がい者手帳のメリット 障がい者手帳
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障害者手帳のメリットといえば、なんとなく医療費の助成・控除のほか、公共交通機関やスマホ・携帯電話の割引を想像されますよね。

公的なものから民間まで割引や控除を受けられたら助かります。

ひとり暮らし・家族と同居、都市部生活、田舎暮らしなど置かれている環境によって、本人や家族がメリットだと感じるものは違うと思います。

「え?そんなこと!?」

健康な人なら大したことのない支援に救われたと感じる人もいるかも知れません。

こちらでは病院や周囲などから申請することを勧められたけど、迷っているご本人やご家族には必見の障害者手帳を持っていなければ活用できない8つのメリットを中心にそのあらましをご案内しています。

では、さっそく本題に。

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障害者手帳のメリット

8つのメリット

  • 医療費(更生医療)の助成
  • 補装具(車いす等)の助成
  • 日常生活用具・リフォーム費用の助成
  • 税金の控除・減免
  • 公共料金・交通機関などの割引
  • 障害者雇用での就職・転職
  • ホームヘルパー派遣
  • ゴミ捨ての支援

たぶん、公共料金や交通機関、民間の割引などは想像しやすいと思います。

そのほか、皆さんが聞きなれない言葉もあると思います。

では、それそぞれ基本的な内容をチェックしていきましょう。

医療費(更生医療)の助成

耳にすることもある医療費控除は障害者手帳の有無に関係なく、医療費が「10万以上」または「総所得の5%」を越えた分を控除する制度です。

それとは別に障害者手帳を持っていると自立支援医療に分類される「更生医療」を国の公費負担で受けることができる助成制度です。

現状の障害を軽減させる医療
更生医療は障害の軽減や症状の進行を予防する効果が認められている治療のことで指定された医療機関で受診した場合に適用される。

地方自治体が独自の医療費助成を実施している地域もあるため、居住地の自治体に確認ください。

補装具の助成・割引

車椅子(車いす)や歩行器、義肢(ぎし)(義足や義手)、補聴器、視覚障がい者用の杖など障害によって失った機能を「補い装う物」16種目が指定されています。

国の制度上の費用負担は原則1割。

しかし、本人や家族の所得に応じて負担上限額が設定されています。

さらに自治体でも市町村民税の所得割額に応じて一部助成の制度があります。

例えば、電動車いす(普通型)
販売価格30万の場合、自己資金3万前後で購入できる可能性がありますのでメリットですね。

対象となる補装具の種類ごとに相場価格を考慮した基準額が設定され、常識の範囲で助成。

介護保険適用者は障がい者枠ではなく介護保険制度の利用が優先されます。

日常生活用具・リフォーム費用の助成

日常生活の不自由さを改善するために指定された7種目の助成。

分かりやすいところでは段差を解消したり、手すりを付けたり、車いす用のスロープ・昇降機の設置など。

介護ベットや移乗用リフト
1~2級の重度障害が対象ですが、下肢・体幹障害の場合に限って3級でも住環境を改善する住宅リフォーム費用の助成対象。

これは手帳を持つことで受けられる大きなメリットのひとつだと思います。

障害の種類や等級により受けられるサービスや上限額が異なります。

税金の控除・減免

障がい者本人、または家族が障害者手帳を交付されると税金の控除・減免メリットがあります。

国税:所得税、相続税、贈与税など
地方税:住民税、自動車税など

「障害者控除」「特別障害者控除」「同居特別障害者控除」で一定の金額を控除されます。

手続きは確定申告、年末調整で行います。

公共料金・交通機関の割引サービス

公共料金
公共料金といえば、電気・ガス・水道が代表的ですね。

このうち実際に一部の自治体で水道・下水道料金を割引(減免)の制度があります。

電気・ガスの割引は大手電力各社で実施していません。

NHK日本放送協会の受信料は、障がいの等級や世帯の収入状況で半額または全額免除されます。

JR・私鉄
JR東日本・西日本ほか各社では本人とその介助者の運賃を障害種・等級によって半額
・JRバスは3割引になるメリットがあります。私鉄でも各社の規定で実施。

タクシー
全国一律で手帳の提示により1割引。
自治体によって福祉タクシー利用券など等級により別途支給しています。

バス
バス会社ごと本人・介助者半額、介助者3割引など適用条件があります。
自治体によってはバス利用券を等級により別途支給しています。

高速道路の通行料、駐車禁止区画の除外指定など事前に自治体へ登録することで利用できるメリットがもあります。

そのほか、飛行機や渡船など多くの交通機関で身体障害者手帳を提示することで、運賃の割引を受けられます。

民間の障害者割引

NTTドコモ、Softbank(ソフトバンク)、au(KDDI)のスマートホン、携帯電話の月額基本料の割引が受けられます。

NTT東日本・西日本の固定電話の基本料の割引はありません。

しかし、身体障害では視覚・上肢・体幹障害の場合、戦傷病者手帳(視力・上肢)で等級により「104電話番号案内」の案内料が無料。

そのほか、映画館や美術館、USJや富士急ハイランドなどテーマパーク・遊園地でも料金やサービス面でメリットがあります。

障害者雇用

例えば、車いす通勤やトイレに問題が無く、数か月前までは普通に歩いて電車通勤して仕事をしていた人でも一般枠で仕事を探し、採用されるのは厳しい現実があります。

障害者雇用促進法
従業員50人以上の企業・事業主は障がい者を全体の2%以上、雇用しなければならない決まりになっています。

これを達成していない企業・事業主には雇用率が未達として障害者雇用納付金がペナルティーとして徴収されます。

逆に雇用率を達成、それ以上に採用していれば障害者雇用調整金が企業・事業主に支給されます。

自立のためのツール
身体障害者手帳を持っていると、障害者雇用枠で応募できることも大きなメリットです。

厚生労働省の統計では働きたいと考えている割合は高く、これまで就労経験のある中途障がい者はその傾向が高い。

また、経済的に自立している障がい者の比率としては身体・精神・知的に障害のうち身体障がい者がもっとも多いとされています。

障害の種類や体の状態で働くことのできない方もいますし、採用不採用は本人の資質ですが個人的に障がい者手帳を持つ最大の魅力が働くチャンスに結び付く、この点だと思います。

ホームヘルパー派遣

障害福祉としてヘルパー派遣など人的支援の利用が可能になります。

障がい者本人の入浴や排泄等の身体介護、調理や洗濯などの家事の援助。

さらに寝たきり状態の重度の場合、出張理容(散髪)サービスを受けることもできる。

等級によって利用回数などの制限がありますが、1級・2級は優先的に優遇される。

下肢・体幹障害
3級でも足が不自由であったり、座位を保てないなどの体幹の障害では適用。
自治体によって異なる基準があるため、居住地の行政にご確認ください。

ゴミ捨て・回収の支援

障害者手帳の交付前でも状況を説明すれば利用できることがあります。自治体に相談しましょう。

社会問題になってるゴミ屋敷化を避けるため自治体のゴミ出し回収サービスは障害者手帳の有無に関係なく、高齢者の場合でも利用できることがあります。

私は、このゴミ捨て・回収の支援が一番助かりました。

有料ボランティアや家事代行を利用するほかありませんし、早朝のゴミ出しとなると時間帯的に対応していない。

対応していても早朝のため利用料が割り増しされ、燃えるゴミ・燃えないゴミなど頻繁に利用できません。

なので、個人的に一番のメリットだと感じます。

ちなみに私自身、交付前に相談して回収していただいていました。

ほかにも自治体の独自サービスが受けられることがありますので詳しくは障害者手帳を交付された時に確認しましょう。

デメリットも書いておきます。

デメリット

障害者手帳を持っていることで生じるデメリットはありません。

失う権利もありません。
あえて言うなら交付されると改めて、自分の置かれた立場を再認識すること。

障がい者手帳の取得は任意

障がい者手帳を持つことは、多くのメリットがあります。

しかし、持ちたくないという人もいます。

私自身、健康に生まれて学生時代は柔道、社会人になってからも都内の大手企業で働き、休日には釣りに出かけたり、日帰り旅行に行ったりアクティブに生活。

それが急に体が不自由になる難病になり、病院から言われるままに保健所に特定疾患(指定難病)の届け出。

現実を受け入れるのに時間がかかり、周囲から障がい者手帳の申請を進言されても踏み切れませんでした。

しかし、心配してくださる周囲との円滑な人間関係を継続、維持するために手続きをして取得しました。

まとめ・整理

障害者手帳を持つと障害の種類や等級によって様々なメリットがある。

  • 医療費の助成。
  • 障害部位を補う、車椅子や視覚障害者用の安全杖など16種目で助成や貸与。
  • 自宅の段差解消や手すりを付けるなどリフォーム工事
  • 国税や地方税などで確定申告・年末調整で控除・減免。
  • NHK受信料や交通機関、スマホ・携帯会社などで料金割引。
  • 障害者雇用での就職や転職時に障害者枠で応募が可能になる。
  • 人的な支援ではホームヘルパー派遣やゴミ捨ての支援。

障害者手帳は障がい者が社会に参加していくことを促進する公的援助です。

取得はあくまで任意。
障害者手帳を取得したからといって利用するか、しないかは自由です。

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